ぼんやりと考えている人

ひろしまなおき (廣島直己)
名前: ひろしまなおき (廣島直己)
住処: シリコンバレー
職業: しがないプログラマ
家族: 愛妻一人、息子一人、娘一人
道具: ハーレー二台、ギター三本
電紙: n at h7a.org

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以前にぼんやりと考えたこと

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27 September '2005 - 23:57 | アメリカ生活 新車の値段

そろそろ 2006年モデルを買ってもいい時期だなあということで、久しぶりに新車を購入することにした。

大きめの車にしようというのは一年位前から予定してたし。

まずは片っ端からカタログを集めて、各社のモデルごとの仕様の違いなどを徹底解剖して頭に入れる。セールスマンと話をする時に、オプションなどは完璧に調 査してあって騙せない相手だと分からせた方が話が簡単。とくに、まだディーラーに届いてもいない 2006年モデルの詳しい仕様などは、ディーラーの人たちはまったく何も知らされてなかったりするので、ネットで徹底的に調べておいて、おまえよりも遥か に詳しいのだということを分からせる。

そして、週末になったらあちこちのディーラーに出向いて、2006年モデルがすでにあれば実車を見て、実際にあちこちをいじり倒して、試乗してみて、とい うのを繰り返す。なければ 2005年モデルから変更になってる箇所と変更になってない箇所をそれぞれをくまなくチェックしまくって、ネットに落ちてる写真などをみながら 2006年モデルがどういう風になったかをできるだけ細かく想定する。

これを何週間か繰り返して、何を買うか、何色を買うか、どのオプションをつけるか、などを最終決定。結局、色を決めるのが一番時間かかった。当然。

買う車が決定したら、次は、どこで買うかを決めなくてはいけない。

たとえ 2時間走ったとしても、たとえば 500ドル安く買えた方がぜんぜん得なので、ディーラーが近所かどうかにはまったくこだわらず、うちから半径 100マイルくらいにある全てのディーラーを対象としてしらみつぶしに調査しまくる。どこのディーラーで買っても新車にはメーカー保証というものが必ずあるので、買ったディー ラーでその後のすべての面倒を見てもらわないと損、みたいに考えて自分から囲い込まれてあげる必要はない。

さて、いまどきはどこのディーラーにも Internet Sales Manager という役職の人が必ずいるので、まずは片っ端からメールで見積もりを依頼する。

この時、何を買うつもりかをモデルとオプションを細かく書き、いつごろ買う予定かをはっきりと書くが、購入価格はいくらくらいを考えているとは書かない。 安すぎると相手に強く出る機会を与えるし、高すぎると後から値切りにくくなる。まずは、買う意思が強いということをちゃんと伝えて、相手に返事させて、話 を始めるのが大事。いつごろ買うつもりかを具体的に書くと、本当に買おうとしていると理解されやすい。

返事に書かれている値段は、どうせ冗談みたいな値段なので、その値段自体はどうでもいい。相手からすれば、高く売れれば売れた方がいいのだし、こちらがどのくらい値段に関する知識があって、手ごわい相手かなど、まったく知らないのだから仕方ない。

返事が来たら、ちょっと遠くなるので考えてなかったけれど invoice くらいで買えるディーラーを知っているので、その辺の価格帯を期待していたのになあ、残念です、また機会があったらよろしく、とにかく見積もりありがと う、と丁寧に書く。どうせたくさんのディーラーと同時にメールをしているので、いっかい書いたらあとは基本的にコピペしてちょこっと修正すればいい。

ちなみに、新車の値段を交渉するときに一番大事な専門用語が MSRP invoice の二つ。MSRP は Manufacturer Suggested Retail Price、つまりメーカー希望価格のことで、ディーラーは見積もりとして「$2,000 OFF MSRP 」という風に出してくる。いわゆる定価から $2,000引きということになる。全ての人がここから始める。

invoice というのは Dealer Invoice のことで、これはメーカーの卸価格。つまり、ディーラーの買値。MSRP は invoice よりもだいたい 10%くらいは高めに設定されているので、たとえば $40,000 の車を $2,000引きと言われても、invoice が $35,000 なら実際にはまだまだ値引き可能ということになる。

invoice を調べるには KBB を使う。中古車を売るときに、ブルーブックでいくらとか書いてあるので、中古車の市場値段を調べるのによく使われているが、新車の実勢価格やメーカーの卸 価格まで調べられるのが凄い。このサイトに限らないけれど、こういうデータベース系のサイトは、本当にアメリカのサイトは凄すぎると思う。こんなので調べ てきた客は、セールスマン的には、ほんと、やってられんだろうなあと思う。

さて、「invoice くらいで買えるところを知ってる」なんて言われたら、ほとんどのセールスマンは、「そんなのうちではぜってー無理」って言う。とくに、この時期の 2006年モデルならなおさら。そんなに値引きする理由、まったくないし、値引きして売りたいのは 2005年モデルの売り残りだし。

ここで、話が進むためには必ず Fleet Manager と話をしなくてはいけない。ただのセールスマンにはそこまでの値引きをする決定権がない。交渉相手が Fleet Manager ならば、こっちが真剣に買う予定だと理解できれば、何とか食いついてくる人も多い。まずは、MSRP ベースの値段ではなく invoice ベースの値段しか考えてないこと、車体ベース価格、各オプションの価格、すべて invoice を知っていることを理解してもらう。

そして、ひとりでも引っかかってきたら、その値段を使って別のディーラーと具体的内容で交渉する。「他にも、あんたのところから 10分のところにあるディーラーからは $1,500 over invoice って言ってるんで、それ以下の価格じゃないなら、話にならないなあ。ごめんね」って書いて競わせていくのだ。ときどき、ブラフも使いながら、でも、強気でやりすぎ て買うところがなくなるといけないので、ほどほどにしながら。

ちなみに、ディーラーは invoice 価格で車を売っても損はしないので心配してあげなくてもいい。メーカー卸価格には、メーカーからディーラーへの報奨金もちゃんと含まれている。ディーラー にすぐに金が入らなくても、報奨金は必ずあとからメーカーから入ってくるし、売り上げ自体が伸びればディーラーとしての報奨金も入る。もちろん、MSRP レベルで売れればボーナスもたくさんもらえて一番なのだろうけれど、欲をかくよりも一台でも売れた方が得なのは事実。ディーラーの売り上げを重視できるの が Fleet Manager という立場の人で、自分個人のコミッションしか重視できない立場の人とはいくら話をしても意味がない。

なにはともあれ、2ヶ月ほどの徹底的な市場調査と 2週間ほどの値引き交渉の結果、おれは $250 over invoice というディールを近所のディーラーから引き出した。別の言い方では $4,000引きくらい。まだベイエリアには一台も入ってきていない 2006年の新車の値段としては、現時点ではたぶんベイエリアで一番ダントツに安い。目標が $500 over くらいだったので、かなり気分がいい。$250も勝ったんだから、いいかげん iP(ry

ちなみに、他の近所のディーラーで引き出せたディールは $500 over、$1,000 over、$2,000 OFF MSRP、MSRP という感じだった。いつまでも MSRP で話をしているところは Fleet Manager にたどり着けなかったところ。それにしてもどんだけ説明しても、なんとか定価で売ろうって根性のセールスマンはすごいというか笑う。$4,000 も安く買えるところを見つけたと言っても信じてなかったし、信じたくなさそうだった。2005年モデルなら $4,000引きだけれど 2006年モデルは定価でしか売れないから、2005年をオススメするって言い続けた人もいた。結局、馬鹿は損して、賢いセールスマンがおれから金を吸い 上げる結果になる。


このディールを結んだ Fleet Manager は、こっちの儲けが少ない分、友達とか紹介よろしくねって何度か言ってたので、まあ、それはそうだろうってことで、このディールをあちこちで自慢してみた ら、だったらシアトルからわざわざ買いに来るって全力でメールしてきた人がいて笑った。彼の近所のディーラーで引き出せた最高のディールは $1,500 over invoice だったらしく、$1,250 も安くなるなら 1,300km 走って行ってもお釣りが来ると言っていた。そ、そりゃそうかも知れんけど…

日本には、半径 100マイルのディーラーを対象とする人はめったにいないだろうけれど、1,300km も離れたディーラーで車を買う人ってのは絶対にいないだろうと思う。アメリカは広すぎるね。いろんな意味で。

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