ぼんやりと考えている人

ひろしまなおき (廣島直己)
名前: ひろしまなおき (廣島直己)
住処: シリコンバレー
職業: しがないプログラマ
家族: 愛妻一人、息子一人、娘一人
道具: ハーレー二台、ギター三本
電紙: n at h7a.org

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以前にぼんやりと考えたこと

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05 October '2005 - 00:44 | 雑記 燃えよ半島のローレライ

意外に思われることもあるけれど、最近は計算機関連の本はほとんど読まない。K&R とかアルゴリズム本は好きなんで時々読むけれど、最新技術動向とか雑誌系は滅多に読まない。

歳をとって情熱が失われているというのもあるかも知れないけれど、たぶん、おれが知りたい程度のことのほとんど全てはインターネットで解決するというのが 大きいと思う。いずれにせよ、おれは、昔から本と言えば専ら歴史、自然科学、哲学、ノンフィクション、実用書とかで、小説はあまり読まない。

ただ、時々、無性に小説を読みたくなることもある。だいたい半年に一回くらい。そういう波が来た場合、小説読書欲を思い切り満たすために、必ず長編に走る。すぐに終わると、すぐに違うのを読まないと死んでしまうから。

で、最近映画も観てないし、小説読みてーなー、読みた過ぎるなー、こうなりゃ何でもいいから、無理やり紀伊国屋で無駄に買いあさってやるしかないぞ、と波 が来た。めちゃくちゃ割高なので、紀伊国屋で本を買うのはすごく嫌なのだけれど、紀伊国屋がなくなってしまっても困るから、そうやって定期的に無駄に金を 使う必要もある。

何を無駄に買うべきか思案していたら、あるところで福井晴敏が凄く面白いと絶賛されているのを見つけた。どうやら、日本の最近の映画で、その福井晴敏って 人の小説が原作の映画がいくつもやってたりするらしい。そんだけ絶賛されまくるくらいなら、話の種に、ひとつくらいは読んでやろうか。

というわけで、試しに買ってみた。「戦場終戦のローレライ」。あと、それだけじゃぜんぜん足りないってことで、ついでに、各所で絶賛されていた「半島を出よ」 も。村上龍の小説はそういえば読んだことがなかったし、ま、いい機会かなとも思ったんで。それから、女房は、新撰組! 以来、ずいぶんと幕末の話が好きになったのか、司馬遼太郎の「燃えよ剣」を買ったので、それもあとで読めるぞ、と。文庫が6冊にハードカバーが2冊。こん だけあれば、小説は当分はいいかなって感じ。

で、とりあえず、「戦場終戦のローレライ」をぼちぼち読み始めたら、会社で大流行して肺炎になるヤツもでた恐ろしい風邪を引いてしまった。102度くらい熱が 出てちょっと辛かったのだけれど、これで一人で部屋に篭って寝ている時間がたくさんできた。つまり、一気に読書する時間が普段の何倍はも取れた。

目が覚めては小説を読み、眠くなったら寝て、おなかが空いたらおじやとか食べて、また小説を読み、ということを一人部屋に篭って延々と繰り返す。最高。風 邪引いて良かった。熱はいらないけど、こういうのだったら定期的にやれるといいんだけどなあ。それには可愛すぎる子供たちが邪魔すぎるなあ。とっとと成人 して結婚して家を出て行ってくれればいいのになあ。いやいや、娘は出て行かなくてもいいぞ。どこにも行かんでいいぞ。orz

さて、それぞれの小説の感想。まだ読んでない人で今後読む予定の人は下は読まないほうがいいかも知れない。ネタバレはないけど。


まず最初に読んだのが福井晴敏の「戦場終戦のローレライ」。これを読んで、福井晴敏はとりあえず全部読もうと決めた。理系としては、さすがにローレライシステ ムに関してはちょwwwおまwwwって言いたくもなる部分があるのは仕方ないとしても、それ以外は本当によくできてる。これだけの長編なのに、ひとつとし て無駄な人物や挿話がないんじゃないかと思うくらいの力作。まじ、ごちそうさまでした。

で、次に読んだのが村上龍の「半島を出よ」。これを読んで、村上龍はもう読まないと決めた。こんなつまらない小説は久しぶり。もし誰かがくれたら 「限りな く〜」を読んで本来の実力を確認してあげてもいいけれど、別にそんな義理もないし、どうでもいい。まあ、好きな人は好きなんだろうけれど、こんなの小説で もなんでもない。単に調べて書いただけ。よく調べましたねえ、としか言いようがない。あちこちに張り巡らせたはずの伏線はほとんど活用されないし、たくさ ん人が出てくるだけで別に何も奇異なつながりとかない。あの話はどうなったんだろ、あの人はどうなったんだろ。そんなのばっかり。何のための挿話だかさっ ぱり分からん挿話だらけ。何も有機的に繋がってない。関係ない話のディテールを丁寧に描写し続けてるだけ。かと思えば、分かり安すぎる伏線もあったりして 興ざめ。おぉっ、そういう話に繋がってるのか!みたいなのがまったくない。何も感動させられなかったし、何も驚かされなかったし、これだけつまらない長編 小説をよく書けると感心した。こんな駄作を面白いという人も世の中にはたくさんいるんだろうし、それについては何も文句はないけれど、駄作は駄作。

つまらない長編といえば、宮部みゆきの「ブレイブストーリー」も死ぬほどつまらない小説だったけれど、あれが面白くなかったのは、その前に読んだ「模倣犯」が結構良かったので期待したというのもあるし、そもそも単に設定が面白くないってのもあった。

でも「半島を出よ」は設定的にはすごく面白いものになるはずだったし、福井晴敏が書いてたらすごく面白くなってたと思えるので、がっかり度合いはまるで違 う。まあ、特に「戦場終戦のローレライ」を読んだ直後に読んだから、作家のレベルの差が歴然で愕然ってのもあったと思う。とにかく、おれにとっては、「半島を 出よ」は金を返して欲しいし、下巻なんて読みきるための修行にしか感じられなかっ た。


そして、最後に口直しに司馬遼太郎の「燃えよ剣」。これは司馬遼太郎なので安心して読める。歴史小説というよりも随筆みたいな感じだけれど、これはこれで 感動。涙なしには読めない傑作。先の大河ドラマのキャスティングがけっこう良かったんで、その俳優がそのまま脳内でリアルに暴れてる感じもして、二倍楽しめた感じ。

司馬遼太郎といえば、だいぶ前に読んだはず の「竜馬が行く」のことをよく覚えてないことを思い出したので、そのうち、もう一回ちゃんと読もうと思った。あれもかなりの長編だから、次の波がきたらしんがりは「竜馬が行く」に任せるかな。

早く、来ないかな、波。

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「終戦のローレライ」ですよね。僕も読みましたが、どっちかというと「亡国のイージス」のほうが面白いかなぁ。あと、司馬遼太郎なら「梟の城」が好きですが、どっちかといえば池波正太郎派です。いまは「真田太平記」を読んでる最中。これは面白いですよ。
なるほど。設定的に「亡国のイージス」の方が面白いんじゃないかな、という期待を持ってましたので、期待が膨らみました。
池波正太郎は、父がファンで実家にはもれなく全て揃っていますが、私の手元には「剣客商売 包丁ごよみ」しかありません :-)
今、なんとなく読み返してみて、おいおい、戦場じゃなくて終戦だよ、って気がついて、誰かに言われる前にこっそりと治しておこうってことで治しました。と同時に、あ、もしかしてそのことを指摘してたのかも…と気になって念のためにコメントを確認してみたら、あら、やっぱりそうだったのですね。ぜんぜん気づいてませんでした。ダメポ orz

  
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酢ハムがいったいどんなハムなのかはともかく…
 

 

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