18 April '2005 - 19:19 | アメリカ生活 アメリカのガソリンスタンド
アメリカのガソリンスタンドについては、前からいろいろと思うことを書きたいと思っていたら、今日、いつも読んでいる「アメリカでがんばりましょう」にて、ガソリンスタンドに関する記述に間違いを見つけたので、嬉々としてその間違いを論うとともに、ついでにどうでもいいことを書いてみる。 まず間違いの指摘から。「アメリカで洗車」には、
アメリカのガソリンスタンドは ほぼ100%がセルフサービスのガソリンスタンド。と書かれているが、これは間違い。ニュージャージ州とオレゴン州の存在を無視するのなら、たぶんかなり正しいのだろうけれど、それでも、フルサービスを併設しているところはけっこうある。ていうか、この二州を無視してはいかん。いくらカリフォルニア州の方が偉いとはいえ。
というか、これに限らずベイエリア系ブログを読んでいてよく感じるのは、カリフォルニア州に住む人は、カリフォルニア州が広すぎる(日本の本州くらい広い)こ ともあってか、カリフォルニアで通用することを自動的に全米に適用する嫌いがある、ということ。
で、これってニューヨーク(市)の人にも当てはまるかというと、実はぜんぜんそうで もない。ニューヨークの人たちには、そこがアメリカでも特殊なところだという認識がある。逆にぜんぜんアメリカらしくないとさえ思っている人も多い。ま あ、それも言いすぎではあるんだけれど、実際、そういう面は確かにある。でも、そんなにアメリカらしくない場所がアメリカにあるというのが、実にアメリカらしいのだけ れどね。
それはともかく、カリフォルニアで通用する常識というのは、ある意味でアメリカを代表する常識の一つではあるのだが、全米的には 1/50 であることに変わりはないし、おれの感覚では、どちらかといえば特殊な州な部類に入るように思う。まあ、特殊な例はいろいろあるが、それらはそのうち適当 に個別に書くとして、とりあえず、ガソリンスタンドの話。
日本の人どころかアメリカ在住の人が知らないくらいなわけだから、その近辺に住んでいる人とかあちこち旅して回るような人しか知らないのも仕方ないが、ア メリカの全ての州でガソリンのセルフサービスが合法というわけではない。上にも書いたように、オレゴン州とニュージャージ州では、合法ではない。つまり、そう いう州ではスタンドの店員に「ハイオク、マンタン」とか言う必要がある。
セルフサービスがないスタンドに初めて行った時、おれは、たまたまそのスタンドではフルサービスしかないのだろうと思っていたのだが、州法でセルフサービスがで きないと知った時はびっくりした。で、フルサービスしかないんじゃ、割高かと思いきや、実は、そんなこともなかったりしたことにもびっくりした。
おれが渡米したころ(97年夏)は、ガソリンはガロンで1ドル強という時代だったのだが、ニュージャージでは1ドル切っていた。ジョージワシントンブリッジ を渡って、ヤオハンまで買い物に行って、ついでに1ドル以下のガソリンを入れて帰る、というのが定石だった。フルサービスなのに、普段よりも安く入れられ るガソリン。仕組みはよく分からない。
で、そんなわけわからん州はニュージャージだけだと思っていたら、なんとオレゴンでもセルフサービスがなくてびっくりした。フルサービスで割高だったら、 州境に住んでいる人たちはカリフォルニアまでガソリンを入れに行くだろうから、きっと、微妙に安いんだろうと思う。州境のカリフォルニア側の人たちは、オ レゴンまで行って、フルサービスで消費税なしでガソリンを入れて帰るのが定石になっているのだろうと想像する。
まあ、カリフォルニアの人は、ちょっと走れば行けるのだからオレゴン州くらいは偵察に行くといい。いろいろと違って面白い。と偉そうにいうほどでもないけれど。
さて、アメリカのガソリンスタンドの多くは、コンビニと併設されている。コンビニと言って日本のそれを想像すると死んでしまうが、アメリカで旅をするのに 欠かせないものが何でも売っているし、アメリカ人的には、ガソリンスタンドでは何でも売っているところという感覚がある。何でも、というものが文字通り何 でもではないのは、日本のコンビニには何でも売っている、という時と同じで、そこで売っているものだけを想定して、何でも売っているという感覚になるのが 大事。
アメリカを(車やバイクで)旅する時、何度もガソリンスタンドの世話になるわけだが、その都度、そのコンビニを覗くことでちょっとした発見がある。日本から来て旅する人は、それだけで最高に楽しいに違いない。
コーヒーなどの飲み物類がセルフサービスなのはそれほど驚かないにしても、ホットドッグやソフトクリームなどがセルフサービスというのは、たぶん日本では 考えられないだろうと思う。だいたい、ソフトクリームなんてけっこう難しいっちゅーの。でも、べつにヘンな形になってもいいじゃん、食えるんだし、という 大らかさを強制されるのがアメリカの田舎のスタンドというものだ。
また、建築基準法がどうなっているのかは知らないが、日本では屋根のないスタンドというのはありえないが、アメリカにはたくさんある。まあ、田舎にしかな いけれど。実際、ド田舎には、何もないコンクリートの地面にスタンドのメーターが一つだけポツンと設置されてある、というような場所がある。無人なのだか ら当然だけれど、そんな場所でもクレジットカードでガソリンが入れられるというのが凄い。周りに民家らしい民家もない無人の屋根なしガソリンスタンド。ア メリカの広大さを感じる瞬間。
また、場所によって、スタンドでの作法が微妙に違ったりもすることもある。たとえば、クレジットカードでの支払いに、請求先の5桁の郵便番号を入れないと いけないスタンドもある。全米的にはほとんどないがベイエリア近辺には多い。きっとカリフォルニアにしかないんじゃないかと思う。今のところ、カリフォルニ アでしか見たことがないが、日本から来た人はさぞ困るだろうと思う。
他には、現金で入れる場合、先に金を渡してから入れる場合と、入れてから金を払う場合とある。入れてから金を払う仕組みの場合、セルフサービスなのだから 入れてすぐに逃げちゃったらどうすんの、ってのが日本人的感覚なのだが、人はそんなことをしないという性善説に基づく仕組みがアメリカには散見される。大 らかといえば大らかだし、バカといえば本当にバカ。
それから、クレジットカードが当たり前のアメリカなのに、クレジットカードが使えないスタンドもある。滅多にないけれど。で、現金しか扱っていない分、他 より安いってのをうたい文句にしている。ちなみに、日本であるような、カードでも払えるが現金の方が安いよ、という「現金特価」というのはない。カードが 使えるということはある意味で客引きにもなっているわけだし、たぶん、そんなことをしたらカード会社に訴えられると思う。知らないけど。いずれにせよ、 カードで払うと明らかに損というようなことはありえない。
って思いつくままだらだらと書いていて、オチの予定がなんだったか完全に忘れてることに気づいた… 最初に考えていたオチを思い出すまで公開しないでおこうとも一瞬だけ思ったのだけれど、なんか馬鹿馬鹿しいから、そのまま公開。
(思い出したので追記)
なお、知られているのか知られていないのかは知らないが、おれは渡米するまでぜんぜん知らなかったので、勝手に自慢げに書くと、ガソリンスタンドは米語で は gas station という。stand というとストリートに出ている出店、売店などをさすので注意。ていうか、紛らわしい英風和語は、ほんと迷惑なので勘弁して欲しい。おれみたいに英語をちゃ んと勉強しないで渡米する怠け者は本当に困るので、刺身の名前をわざわざ日本語から韓国語に変えようとしている韓国人を見習って、いっそ日本も何でもかん でも日本語に翻訳してくれた方がかえって嬉しい。というのは真っ赤な嘘。馬鹿馬鹿しいのでそういうくだらない言葉狩りは反対。勝手に英風な和語を作らない で、ガスステーションという外来語を使うといいと思う。っていうと、それは米語であって英語じゃないって話になるんだろうか。英語ではなんていうんだろう か。
yuichi () (ウェブサイト) - 03 May '2005 - 14:11
ひろしま () - 03 May '2005 - 23:22