13 May '2007 - 22:30 | アメリカ生活, 単車と旅 オレゴンから愛 '07
だいぶ前から義母が行ってみたいと言っていた国立公園、Crater Lake National Park に行って来た。
冬期閉鎖の道路がほとんどなので、残念ながら湖畔を一周してあげることはできなかったのだけれど、天気もよかったし雪景色もよかったし、十分堪能したようだった。
アメリカでの旅というと、ジャンクフード三昧というのがその魅力の一つなのだけれど、そんなものには魅力はないという残念な人もたくさんいる。そして、お年の割にはかなり柔軟にジャンクフードと対峙できる義母でさえも、やはりそんなものには興味はないらしい。残念なことこの上なし。
というわけで、毎晩、それなりに義母の口に合う物を探すのにちょっとした苦労をした三泊四日の旅だったのだけれど、オレゴンでの宿泊の夜、義母の為に日本食を試しに探してあげることにした。地図でみたら、Medford というのはちょっとした町という感じだったので、もしかしたら一件くらいはあるかも知れないと思ったのだ。
夕方、モーテルにチェックインして、部屋の電話帳で調べてみると、三件の日本食屋が見つかった。Shoji's、Oh's Osaka、Gen Kai だ。選択肢があるなんて、すごい。一件もなくてもまったく驚かないところ。
さて、三件の日本食レストランのどれを選択するかが問題だ。
フロントに訊いたところで何の意味もない。ヤツらガイジンが日本食の善し悪しを知っている確率はほとんどない。ここは日本マニアがたくさんいる都会ではない。どうするか。
まずは、名前。地名が入っているものは無条件にアウト。日本人がやる日本食屋に TOKYO とか OSAKA なんてつけるバカはいない。「Hokkaido Seafood Buffett」なんて名前のレストランが日本人的に美味しい可能性はほとんどない。日本人経営の店は、かならず日本語が分かる人だけが分かる名前をつける。もちろん、これは必要条件であって、美味しいかどうかは別問題。これは全米に通じる法則。
これで Oh's Osaka はアウト。まあ、ここは「王's」って時点でアウトすぎる。王さん、個人的には大好きなんだけれど。
というわけで、正二さんか玄海さんか。字は分からないけれど、どっちも日本人経営風。町の 67% のジャパレスが日本人経営だなんて、こんな田舎ですごすぎる。かどうかはまだ分からない。
どっちにしようか悩みながら、イエローページで尚司さんのところをよく見てみると、ヒントを発見。「グリル」と書いてあった。ふむ。つまり、これは「ベニハナ」ということだ。
全米には、いわゆるベニハナコピーの Japanese Grill がたくさんある。子供じゃないんだから、そんなパフォーマンスで大声出して喜べっていわれても困るっつの、って感じのレストランだ。まあ、どこも特別美味しいということはないが、何でも醤油をぶっかけて炒めるだけなので、日本人なら食えないことはない。と、説明したら、義母はそれでいいと言った。
が、しかし、限界は試してみたい気もする。そこで、電話面接をすることにした。当然ながら、面接はすべて Nihongo で行われる。
「Hello」「(堂々と)もしもし(ほほほ。きもちいいーことこの上なし)」「あ、もしもしっ」「(うぉっ、食いついて来たぞっ)えーと、玄海さんですか?今晩の予約をしたいんですが」「はい、何名様ですか?」
ご、合格っっ!
うーん、日本語が通じるジャパレスが、こんな田舎にあるなんて、オレゴン、侮りがたしすぎ。ポートランドとかに日本人がうようよ居ても驚かない免疫がついた。
レストランにいってみると、客は真っ白なのに、日本語を話す店員がシェフをいれて三人もいたりして、かなり不思議な雰囲気。訊いてみると、やはり日本人客なんて滅多に来ないというし、逆にどうしたのかとびっくりされた。
まあ、日本人がやっているとはいえ、こんな田舎でのことだし白人を相手にしているわけで、とくに期待をしていたわけでもないのだけれど、率直に言って、寿司はすしとみよりも上手かったし、カツカレーもおいどんよりもうまかったし、びっくりした。福神漬けの代わりに紅ショウガが乗っていても、ぜんぜん笑って許せるくらいにカレーが辛くてよかった。
まあ、天ぷらがちょっと甘すぎて笑えたし、唐揚げも揚げ過ぎだったのだけれど、そんなのぜんぜん問題ないくらいに、全体的によかった。珍しい日本人客ということで、焼きそばにもちょっと特別な手を加えてくれたりしてたのだけれど、日本人なんて通りすがりの人しかいないんじゃないかなって田舎町で、ほんと、心が和んだ。
これで、オレゴン初上陸の義母にとって、オレゴンはすごくいいところだという印象が固まったのは間違いない。ありがとう、玄海さん。
garyu (ウェブサイト) - 14 May '2007 - 00:30
ところで、うちの近所は地名が入っていなくても、かなりの高確率でたまねぎ火山を披露されます。渡米当初、この鉄板焼きのことを火鉢と呼ぶことを知らなくて、「今日はハマチの良いが入ってるからどうだ」って勧めてくれているもんだと思ってました。こういうのを見て、お偉いさんが認定とか言い出したんでしょうかね。
davilin (ウェブサイト) - 14 May '2007 - 06:27
ぜひ、稜線にぽつんと立っている公園内唯一のホテルお勧めします。
ホテルは古くてちょっと狭いけど、食事も悪くなかったし、
なにより、湖畔のデッキでビール飲みながら見る壮大な夕焼けは、
一見の価値ありです。
なんて思い出してたら、また行きたくなってきたなぁ。
玄海さんも気になるし、夏にでもまた行ってみようかな〜。
kei - 14 May '2007 - 10:32
このテクニックは、「こいつ、ほんとに英語下手だなあ」っていつも思われてる鬱憤と歯がゆさを、アメリカ国内で晴らすという意味でも、とくに有効です。って、ぼくだけかも知れませんが(笑)
ひろしま - 14 May '2007 - 13:34
ぼくのいるところの近所にも、「あづま」とか「ぼんさい」とか、名前的には大丈夫かと思いきや、これはドッキリですか系の店がいくつもあります。やはり油断はなりません。
日本人をメインの相手としてやってるレストランは、そのレストラン名に必ず季語をいれなくてはいけないというような暗黙のルールを提案したいんですがどうでしょうかね。無茶ですかね(笑)
ひろしま - 14 May '2007 - 13:39
なるほど、あの先っぽのところですね。それは、ぜひいつか試してみたいなあ。
あそこははカルデラ湖の宿命で、残念ながら湖畔にはキャンプ場がないんですよね。去年は Mazama で野営したのですが、湖面は当然みえませんでした。それでも、あそこのキャンプ場はかなり素晴らしかったし、またやりたいんですけどね。
ひろしま - 14 May '2007 - 13:45
あー、寿司食べたくなってきた。Stamfordに逝ってこよーっと。
ところで写真の唐揚げのボリューム凄すぎ(笑)
MSY - 15 May '2007 - 22:49
先日ランチに行ったんだけどすごく美味しかったし、ここのなかおち丼は有名なんだけれど、前回の晩飯ではシャリに本当にまったく味がついてなくて目が点になった。ありえないと思って、シャリだけいくつか食べてみたくらい(笑)
まあ、なんにせよ、再来週にうちで手巻き寿司大会だから、よろしく。
ひろしま - 15 May '2007 - 23:27
台湾人 (ウェブサイト) - 31 July '2008 - 08:06
台湾人 () (ウェブサイト) - 20 August '2008 - 20:46
オレゴンは観光に行くところではなく、住むところでしょう。いいところですよ。
で、観光はワシントン州にいく、と。
ひろしま - 21 August '2008 - 20:48
カリフォルニア州、オハイオ州、ケンタッキー州、オクラホマ州やマサチューセッツ州も憧れです。
台湾人 () (ウェブサイト) - 22 August '2008 - 05:58
しかし、なかなかシブい州が好きですねえ。過去に住んでた人以外にそんなことを言う人、滅多にいないでしょう
ひろしま - 22 August '2008 - 10:17