14 January '2006 - 19:46 | 英語 アポストロフィの数に制限なし
去年の秋にマジソンスクエアガーデンで行われた World SUMO Challenge という相撲大会の再放送が ESPN でやっていた。 ので、なんとなく見てみた。ちゃんと日本人も出ていて、元横綱の武蔵丸が解説をしていて、けっこう面白かった。感心したのは、いわゆる仕切りや立会いがなく、両力士が両手を土俵についた状態で行事の合図を待ち、行事の「はっけよい残った」の合図をもとに取り組みが始まること。手を着いた、着いてないなどの紛れが一切ないし、見ているほうにも公平に映るし、スポーツとしてはこの方が絶対にいい。いつ立つか分からない緊張した立会いの良さはまったくなくなってしまうので、日本の大相撲でやるのは無理だけど。
さて、この相撲を見ていて一番びっくりしたのは、実は相撲とは何の関係もないことで、参加していたアメリカ人力士の一人の名前だった。
何系の名前かは知らないけれど、その力士の名前とは、「Onipa'a Imua Pa'a'a'ania」だ。タイポでも文字化けでもない。さすがに目を疑ったので、テレビを止めて何度も確認して書き残した。間違いなく、アポストロフィが四つも使われている。
アメリカ人の名前には、O'Bryant とか O'Reilly とか、アポストロフィが使われている名前はいくつもあるので、アポストロフィ自体はまったく問題ないわけだけれど、一人の名前に四つも使っていいのか。欲張りにもほどがあるっていうか、さすがにそれはあかんやろ、と。
まあ、アポストロフィは一人二個まで、みたいな制限があるとは思えないけど、それにしてもびっくりした。何でもありだけれど、そんなんまでありとは思ってなかった。こうなると、もしかしたら、アポストロフィが二つ連続した名前とかもそのうち出てくるかも知れないと思えてきた。それはない。
ちなみに、どうでもいいことだけれど、アメリカ人の名前に使われているアポストロフィには二つの起源がある。ひとつは欧州系の名前で、たとえば O'Reilly の場合はアイリッシュ系の名前で、O の上に ’ が付いてる文字を O' と書くことで代用している。
もうひとつは奴隷制の名残りで、O' は of の略。たとえば、O'Bryant は of Bryant、つまりブライアント家の奴隷という意味。まあ、その手の名前の人の先祖が奴隷だったとか言う以前に、黒人は全員奴隷だったわけだし、白人と黒人の婚姻も進んで今さらどうという意味もないが、ネタがネタなのでタブー。知らない人が多いネタだけれど、酒の席でもひけらかしてはいけない。
なにはともあれ、目から鱗が落ちたお祝いに、今度、英語で名前を入力する場面があったら、N'ao'ki H'iro'shima くらいは堂々とやってやりたいと思う。
そのややこしいお名前はポリネシア系のお名前だよ。たぶん、力士さんがハワイとかあっちの方の出身の人じゃないかな。読み方はそのままローマ字読み。「Onipa'a Imua Pa'a'a'ania」>「オニパア・イムア・パアアアニア」さん。
詳しくは知らないけど、母音を個別発音&表記させる時に使われてるような気がする(この人の例でいうと「パーアニア」じゃなくて「パアアアニア」って読め、ってこと)。
でも、地名なんかだとアポストロフィが全くない状態で表記されることもあるので、その時は結構困る(笑)「a」がいくつよ!みたいな。
んじゃ、今年もよろしくおがないしまつ。
虫 () (ウェブサイト) - 16 January '2006 - 10:54
なるほどね。そんな感じなんだろうね。見た目もそれっぽかったし。
それにしてもいい名前だよね。鬼ぱあ。
ひろしま () - 17 January '2006 - 17:33