26 January '2007 - 11:18 | Pivot, 技術動向 Pivot という名前
リリース前の最後のテストということで、細かいバグ修正が盛りだくさんの Pivot 1.40.1 にバージョンアップ。週末にはリリースの予定。
この Pivot という名前のブログツール、自分は気に入って長いこと使っているし、自分が使いやすくするために開発にも参加しているのだけれど、とても人気があるとは言えない。が、そのことに不満はない。自分が使いやすければそれでいいし、他にもたくさん人気のツールはあるのだし、みんな好きなものを使えばいい。
それに、こう言っちゃうと身もふたもないのだけれど、今どきわざわざ自前でブログサイトを立てるのは馬鹿げている。ブログを書きたいなら、Vox とか Blogger とか、使いやすくてかっこいいのはいくらでもある。
もちろん、Pivot を使う人が増えることでフィードバックが増え、さらに使いやすくなって行けばいいとは思うし、他の選択肢を知らないから仕方なく mysql を動かして Wordpress を動かしてるような人たちには、Pivot は PHP だけで動くし、スパム対策もなかなかのもんだし、結構おすすめだよとは言いたい。
でも、積極的に売り出そうという雰囲気は開発グループの中にも見られないし、自分もそこまでコミットしてるわけでもないし、売り出すための方策とか、そういうのは考えてこなかった。開発グループの他の連中もそういう感覚なんだろうと思っていた。
ところが最近ちょっとした動きがでてきた。というか、ぼくが発端を作ってしまった。
現行の Pivot は、設計的にどうしようもなく辛い部分がたくさんあるので根本的に作り替えようと、Bob が 2.0 のプロトタイプを作っているのだけれど、そこでいろいろとアイデアを出し合っている。plugin フレームワークをシンプルで分かりやすいものにしたり、管理画面で JQuery 使って AJAX バリバリにしたり、Smarty を使ってサイトの rebuild 作業とかをなくしたり。まあ、そのへんはいい。誰も文句がないし、かなり面白い感じになって来ている。
しかし、一番のポイントは mysql で動くようにしようというアイデア。これは、Pivot の良さの中でもとくに自分が重要だと思っている「PHP だけで動く」特徴をスポイルするものだと思うので、ぼくはかなり猛烈に反対している。Hans もぼくに同調している。
Bob は、Wordpress でできることはなんでできるようにしたいらしく、SQL が使えないのは不便すぎると感じているらしい。気持ちはわかる。とりあえず今のところ、mysql を使うこともできるし、使わなくても(一部の SQL を使うような plugin は動かないけれど)大丈夫、という風にしようということで話はまとまってる。
前振りが長過ぎるけれど、この、2.0 への議論ででてきた「Pivot の良さ」云々の話から、ようするにこれを流行らせたいのか、そうならどうやって流行らせるのか、という話になっていった。
みんながいろいろとアイデアを出し合っていたところで、じつは使い始めたときからひそかに思っていた — けれど言うのも憚っていた — ことをそれとなくぼそっと言ってみた。つまり、Pivot って名前がそもそもどうなんだ、と。
案の定、sacrilege (冒涜) なんていう単語もできて侃々諤々の議論になった。
ぼくの意見はこうだ。Pivot という名前では検索しにくすぎる。興味を持った人が、必要な情報を簡単に得られないのなら、存在しないも同然。広めたいなら、まずは検索しやすい名前に変更することも考えるべき。
ようするに、及川さんが「ネットを意識した名前付け」で書いてることなのだけれど、Pivot のような tech savvy な人たちだけにアピールするようなツールの場合は、一般消費者にアピールするほかの製品などと比べて、もっとはっきりと結果がでるのは間違いない。Pivot を使う可能性がある人たちは、Yahoo なんかでは検索しないし、google や del.icio.us で情報が一発で取れるかどうかがすべてと言っていいと思う。
Pivot なんて名前では表計算の情報の方が多いんじゃないかと問題発言をしたわけだけれど、じゃあ何ならいいのか。
Wikipedia には pivotlog で登録されてるし、google でもまぎれがないし、公式サイトも pivotlog.net なんだし、正式名称は Pivotlog で、Pivot は通称ということにしたらいいのではないか。これならほとんど何も変更がいらないし、いい案だと思う。
のだけれど、これはには生みの親である Bob が猛反発。名前が何をするものかを説明する必要はまったくないし、そもそもそんな名前はださすぎる。nanoblog や phplog に引けを取らないくらいださすぎる。そんな名前にするくらいなら検索されにくいままで結構、と。
名前を好きになれないようじゃ愛情もわかないし、開発の熱意もなくなってしまうし、なるほどメインの開発者がそんなに許せない名前なら仕方ない。じゃあ、なにがいいか。
というところで議論は続いております
変わらない可能性もあるし、すんごい変わるかも知れないし、どうなるかはさっぱり分からない。2.0 のタイミングで変わらなかったらこの先もずっと変わらないんだろうけれど、もし変わるならそのタイミングになるのは間違いない。
ちなみに、Flickr とか Zooomr とか Lingr みたいに、発音を変えずに検索ユニークな名前にしよう — たとえば Pivott — というぼくの案が採用される確率は、今のところあまり高くなさそう。悪くないと思うんだけれどなあ。
私は使い始めたころ、みんなに広めようと思っていましたけど、ひろしまさんが Pivot を使うようになって UTF-8 化された時点で、私の布教活動は終わりました。それに、ここまで百花繚乱のブログサービスがあるご時世ではそっちを使いますよね、普通。
ところで、名前の件はなかなか難しいですね。ただ、Pivvot だと Piwot と紛らわしくて良くないかも知れません。
davilin (ウェブサイト) - 26 January '2007 - 14:33