ぼんやりと考えている人

ひろしまなおき (廣島直己)
名前: ひろしまなおき (廣島直己)
住処: シリコンバレー
職業: しがないプログラマ
家族: 愛妻一人、息子一人、娘一人
道具: ハーレー二台、ギター三本
電紙: n at h7a.org

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31 December '2004 - 22:51 | 雑記 親が一緒に登下校すればいいだけなのだよ。

一週間以上もほとんどパソコンを使わずにのんびりと休暇を過ごしていたら、世間はあっという間に大晦日になっていて、奈良の幼女殺害事件の犯人が逮捕されていた。 報道からは、一ヶ月以上も進展がなかったように思うので、まさか年内に解決するとは思ってなかったけれど、親族の胸中を察するに、年内になんとかなってよかったなあと心から思う。

どうやら犯人は幼女に対して同様の犯罪を過去に二度も犯している性犯罪者らしいが、ということは、日本もいい加減にミーガン法のようなものを導入すべきだろうという話になるのかも知れない。特にこの犯人のような、暴力的で幼女専門の性犯罪者というのは、再犯率が異常に高いし。

しかし、ミーガン法はどう考えても悪法だ。社会で更生するチャンスを与えられないのなら、塀の外に出してやる理由はどこにもないだろう。刑期を終えて塀の外に出してやるということは、社会的には罪を償ったことを認めて、社会の一員として更生することを許すと言うことだ。

もちろん、何年刑に服しても犯罪歴は消えないし、被害者に対する謝意も消えてはいけないわけだが、それだからといってまわりの人間が全員で白い目で見続ける構図というのは、どう考えても間違っている。陰湿ないじめが好きな人たちには嬉しすぎる構図なのだろうが。

ではどうするか。この犯人の場合で言えば、二度目の犯罪の時に20年とか30年とかブチ込んでおけばよかったということだ。まあ、終身刑くらいでいいとも思うけれど。

酒鬼薔薇もそうだけれど、更生したと言っても信用できないからという理由で、周りの人間が全員で白い目で見て迫害するのを助長するような情報を公開することが正しいとは思わないのだ。チャンスをやるならやる、やらないならやらない。

しかし、こういう幼女系事件が起きるたびに思うのは、ミーガン法がどうとかではなく、いつになったら日本の親は児童遺棄を止めるのかということだ。

日本でもよく知られていることだと思うが、アメリカでは児童遺棄は犯罪だ。州によって細かい部分は違っているのだろうが、簡単に言えば、12歳とか14歳とかいう年齢までは、子供は常に大人の監視下にいないのいけないということだ。子供を車に残してコンビニで買い物をすることも犯罪だし、子供だけで留守番させることも犯罪ということだ。

渡米当初はこの法律に対して、なんて馬鹿な法律だろう、民度が知れるというもんだ、と呆れたのをよく覚えているが、残念ながら日本にもこういう法律がなくてはいけない時代になったんだと思う。

なお、この法律は馬鹿げているといえば確かに馬鹿げているのだが、子供の権利を守るための法律としては、非常にいい法律だ。子供の権利など屁とも思わないような馬鹿な親のもとに生まれてしまった不幸な子供の権利を完全に守ることなど到底不可能に決まっているわけだが、それでも、こういう法律があれば、馬鹿な親のいくらかでも仕方なく子供の権利を守るような行動をとるようになると思うからだ。

たとえば、この法律で守ろうとしている子供の権利を守ることが常識として理解できる親ならば、小一の女児を一人で登下校させるなどということは到底できないだろうが、こういう法律があればそれが許されないのだから、殺された幼女の生きる権利は守られた確率が高い。

今年だけで何人の幼児がキチガイに殺されたか分からないが、親が子供を遺棄していなければ起きていないのだ。防犯のためのベルや GPS 携帯など持たせたところで、それがなんの役に立つというのか、いい加減に目を覚まして欲しい。

たとえ、犯人に極刑以上の刑を与えても、子供の生きる権利を守らなかった親は、子供を永遠に失うという現実でもって自らその責任を一生負うはめになるのだ。

というわけで、小学生を子に持つ親は、新学期からは、毎日の登下校に付き合いなさい。仕事が忙しいなどという言い訳は、子供よりも仕事の方が大事だというに等しい。そんなやつとは、子を持つ親の気持ちを共感し得ない。子供の命を運に任せられるようなやつに、おれがどのくらい真剣に子供の命を守ろうとしているかなど、永遠に理解できまい。

性犯罪者に下校途中に誘拐されて殺されるという事件は、事故でもなんでもない。完全に防げることなのだ。

来年は、全ての子供たちの命がキチガイから守られますように。

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