24 January '2005 - 23:36 | 東西対決 冬が恋しい
おれがベイエリアに引っ越してきて一番がっかりしたことは、その気候である。 季節は乾季と雨季しかなく、気温的には、冬はいつまで待っても来ない。真夏でもまったく冷房なしで寝られる。まあ、よく言われることではあるが、ここは、一年を通して暮らし安すぎるのだ。四季をこよなく愛する日本人としては、これほどつまらない気候はない。そして、今年も、当然ながらベイエリアに冬は来ないわけであるが、他の地方では、記録的豪雪とか言って人が死んでいたりする。ニューヨークでは華氏19度(約-7℃)でプチ失業したとか言っている友人もいる。羨ましすぎる。いや、死ぬのも失業するのも羨ましくないけれど。
冬が厳しいからこそ春が待ち遠しいのであって、こんなベイエリアみたい冬とはとても呼べないような生ぬるい季節をいくら過ごしても、春は全然待ち遠しくならないし、ましてや春の到来を心から喜べたりするわけがない。
あー、冬が懐かしい。冬が恋しい。冬が羨ましい。
とはいえ、寒いのは好きじゃない。ロンドンで暖房が壊れて風邪引いて仕事休んだりなんて、もっての他。家の中は暖かいのが当たり前。日本みたいに、家の中なのにトイレが寒いとか、許されない。布団から出るのが辛い朝なんて、理不尽すぎる。日本に行くたびに風邪を引かされるのは勘弁して欲しい。
アメリカに来て一番感動した瞬間のひとつは、雪の降る寒い朝に、布団の外で目が覚めた朝だったのだが、コネチカットの暖房は、定期的に空気を入れ替えなければいけないような無駄な暖房ではなく、空気を冷まさないようにラジエータを使うのに感動した。これはやってみて初めて分かったことだが、寒い地方の冬は東京の冬よりも遥かに快適だった。
毎日の気温がマイナスという天気ニュースをみて、そっちはさぞかし寒いだろう、大変だろう、気の毒なこった、おれはとてもそんな寒いところには住めないな、などとせせら笑う友人たちを、逆に鼻で笑ったのを思い出す。おまえら、毎朝凝りもせず、寒い寒いといいながらファンヒーターの電源を入れて、また布団に戻ったりしているのだろう。馬鹿か。19世紀か、おまえらは。こっちは Tシャツで毛布もかけずに寝ている21世紀少年だっての、と。
ちなみにカリフォルニアではそこまでちゃんとした設備が必要なほどには寒くならないので、当然、セントラルヒーティングはラジエータではなく、ガスを燃やして空気を暖める方式がデフォルト。ダサすぎる。が、それで困ることはまったくない。ちぇっ。
そういうわけで、やはり、寒さ対策は寒い地方に聞けってことだ。寒い地方の暖房設備は素晴らしいの一言に尽きる。東京なんかよりも圧倒的に快適な冬がニューヨークにはあるといっても過言ではないのだ。あー、ベイエリア、過ごし安すぎてむかつくー。
ちなみに話は飛ぶが、壊れた暖房のロンドンで思い出した。ニューヨークにはアパートの賃貸条件に関して以下の法律がある。
温水: 大家は最低 50度のお湯を一年中提供しなくてはならない。
暖房: 10月1日から3月31日までの間、大家は以下の暖房を提供しなくてはならない:
* 午前6時から午後10時まで、気温が13度以下の場合は 20度以上の暖房。
* 午後10時から午前6時まで、気温が5度以下の場合は、13度以上の暖房。
きっとロンドンにもあるんだろうけれど、日本の札幌とかにはこういう法律あるのかな。