28 June '2005 - 00:13 | 美食 桑港市一番のタピオカ
領事館で一仕事を終え、駐車場に戻る道すがら、小腹が空いたなあという我々の胸のうちを察するかのように、一枚の看板が挑戦状を叩きつけてきた。 「Best TAPIOKA in the City」 だと。Tea Garden と名乗るその怪しすぎる Tea Stand に入ってみると、中では怪しい爺と婆が中国語で談笑していた。客が来たことに気づいても、腰を上げようともしない。
とりあえず、壁にかかったメニューをざっと見る振りをしながら、女房に聞いた。Milk Tea か Black Tea か。
時のころは夕方 5時。晩飯の時間も近いし、ひとつを全員でシェアするってことで、おれよりもさらにワガママな我が息子の好みを優先。Black Tea で戦うことにした。
まったく、鬱陶しいなあといわんばかりの態度でやおら Black Tea with Tapioka を作り始めた爺。
みたところシール機はないし、ふつーに蓋で出てくるんだろうなあ、ダサいなあ、でも桑港市で一番っていうくらいだからなあ、どれどれ。
はい、できたよ。$2.50 ね。
えーと、Black Tea を頼んだんですけど?
Black Tea だよ。
いや、これは Milk Tea ですよね。
ああ、そうだよ。でも、Black Tea だよ。
いや、これは Milk Tea であって Black Tea じゃないですよ。
あんた、何いってるんだ?Black Tea だって言ってるだろう?
おいおい、どこのだれがこれを Black Tea っていうんだよ!?
世界のどこに行っても言うよ!
ふざけんなよ。少なくとも Hillsdale の Tapioka Express じゃ、言わねーよ。
まったく、だったら、どうして欲しいんだよ?
だから、Black Tea 出せっての。
これが Black Tea だって言ってんだろ。
ふざけんなって。Milk の入ってる Black Tea なんてねーよ。Milk 入れるなってんだよ。
だったら最初からそう言えってんだよ。
この店は Black Tea と Milk Tea は一緒だって、最初に言えよ。
世界中、どこ言っても一緒だってんだよ。
激しいやり取りの末、爺は仕方なくおれが注文したものを作り始めた。それにしても、ミルクティをブラックティだと言い張るとは呆れた店だ。
作っている間、壁にかかったメニューをよく見てみたが、Black Tea はどこにもなかった。どうやら、この店では Black Tea と言ったら 1番の Milk Tea のことになるというのは事実なのかも知れない。バカか。
そして、やっと出てきたその代物は、見た目は確かにおれの注文したものだったのだけれど、味はヒドイを通り越していた。一言で言えば黒糖を水で薄めたよう な味で、とても常人に飲めた代物ではなかったのだ。もしかしたらミルクと混ぜると美味くなるのかも知れないが、そのままではとても飲めそうもない。要す る、この店には Black Tea というメニューは存在しないってことなんだろう。
不味すぎて笑えてくるのだが、それをみんなで代わる代わる味見する。タピオカは柔らか過ぎてストローの途中でいくつかが詰まってしまったりするし、一体これは何なんだろうと思いながら。
市内で一番って、一番不味いってことだったのだろうか。でも、それなら Best じゃなくて Worst じゃないといけないのになあ。まだ、英語がよく分かってないのかも知れないな。教えてあげないと。