18 August '2007 - 21:21 | iPhone, アメリカ生活 光栄にもほどがある話
娘の友達の誕生日会に誘われて PUMP IT UP に行って来た。手軽に誕生会ができる定番スポット。
だらだらと子供が遊んでいるのを眺めていたら、友人に「この後スルキで買い物しようと思ってるんだけど、どこだったっけ」と訊かれた。「4th の」と言いかけたところで、おもむろに iPhone を取り出す。Google Map で "suruki" を検索してみせ、「ここ」と手渡す。会うたびに見せびらかされている彼が iPhone を買うのは時間の問題だろう。
と、ちょうどその時、むこうの方で iPhone を見せびらかしているもう一人のセールスマンを発見。自慢されているのは別の友人で、セールスマンは知らない人。日本人ぽい。
日本語入力できること、知ってるだろうか。知ってても知らなくても、あとで自慢してやろうかな。
誕生会の後半、ピザを食いながら、もう一人のセールスマンに声を掛けようと思っていたことを思い出し、彼に自慢されていた友人になんとなしに訊いてみた。「さっき iPhone 持ってたあの人って、知り合いなん?日本人?」「ああ、うん。以前のご近所さんでね。東南アジアの人だよ」
なるほど。しゃれた眼鏡をかけていたので日本人にも見えたのだけれど、言われてみれば確かに東南アジア風だ。
「いやあ、iPhone を持ってたから、もし日本人だったら声を掛けて自慢してあげようかと思ったんだけどね。日本人じゃなかったら自慢のしようがないや。残念」「ははは、そうなんや。そういや、あの人、Apple の人なんやけど、最近は iPhone の開発とかしてるて言うてたよ」「え゛!!!」
友人との会話を即座に打ち切り、周りの奥様と子供たちを蹴散らし、ぼくは一目散に彼のもとに駆けつけた。彼がそのとき話をしていた人のことなど全力で無視して、むりやりに割り込む。「ねぇねぇ、iPhone の開発してるって本当なの!?」
彼は OSX のカーネルを開発しているプログラマで、iPhone にも深く関わっているエンジニアだった。こんなところでこういう偶然があるのがシリコンバレー。
熱狂的ユーザと開発者の会話は、どうしたって盛り上がる。さすがに、相手には立場上いえないことも多いわけだけれど、それでも彼との iPhone 談義は多いに盛り上がった。
中でも傑作だったのは以下のやりとり。
「そういえばさ、日本語を入れると Mail も Safari もいろいろとおかしな挙動をするバグがあるんだけど、知ってる?」
「あ、そうなんだ。でも、日本語の入力なんてできないよね。」
「できるんだよねぇ、それが。」
「そうだっけ?」
「日本語仮想キーボードってのがあるんだよね。」
「ああ、そういえば見たことある気がする。チーム内でもかなり話題になってたし。なんだったかな。」
「え、まじで…。それってさ、もしかして、これだったりするかな?」
おもむろに jKeyboard のページに飛んで、目の前で動かしてみせる。
「そうそう。これだよ、これ。ぼくは日本語は分からないけどさ、これはチームでもかなり盛り上がってたね。」
「へー、そうなんだ…。じゃ、けっこう、みんな知ってるんだ…。」
「知ってる、知ってる。まったく、すごいことをする人がいるもんだよ。」
「うん。っていうかさ、実はさ、これ書いたの、ぼくだったりするんだよね。」
「え゛!!!」
と、こんな調子で、誕生会のことなどころっと忘れて、解散間際まで二人で iPhone 話に花を咲かせた。
それにしても、危なかった。もし友人が教えてくれなかったら、彼には声を掛けずにやり過ごして終わってしまうところだった。これからは、iPhone を持ってる人をみたら、中で開発してる人だと思うことにしようと思う。
MSY - 18 August '2007 - 22:10
ひろしま - 18 August '2007 - 22:25
Ryosuke () (ウェブサイト) - 19 August '2007 - 23:30
いやあでもjKeyboardは面白いですね。
日本語変換のサーバも走らせてるみたいだし... IM関連のお仕事とかされてるんですか。
なーんて。
とおりすがり - 20 August '2007 - 23:48
ひろしま - 21 August '2007 - 00:31