21 November '2003 - 08:32 | 雑記 市場主義
一週間ほど前に買ったものがある。そのものは工事を必要とするものだったので、購入時にそれの配達日を指定する必要があった。工事する人が配達するわけだ。そして、その配達日を、今日の八時から十二時の間、つまり午前中に指定した。というわけで、朝から楽しみにして待っていた。 本当は午前中にやりたいことがあったのだけれど、いつ来るか分からないから、家でチンと待っていた。が、待てども暮らせども来ない。午前中の配達予定の最後のほうにあてがわれてしまったのだろう。前の人の工事に時間がかかればかかるほど、自分の番が来るのは遅くなる。
が、とうとう十二時を過ぎてしまった。仕方ないので昼飯を食ってみた。食ってみても来なかった。
まぁ、アメリカではこういうことはよくあることだが、とりあえず、買ったところに電話して、何がどうなってるのか聞いてみることにした。
すると、なんと、今日は来ないということがはっきりした。早起きして待っていたというのに、なんたることだ。やりたいこともせずに待っていたというのに。
聞くとこういうことだった。ローカルの工事業者に工事を依頼しているので、ものはまず業者に配達されるらしいのだが、それが配達されていなかった、ということらしい。そして、そのことは業者には伝えてあり、客、つまりおれに工事には行かないということを伝えろとも指示されているらしい。だから、悪いのはその業者である、ということらしい。
ふざけやがって。今日来れないことは前日には明らかだったのだから、どっちでもいいから、おれに伝えておくべきだろう。そうすれば、おれはおれの貴重な時間を無駄にせずに済んだのだ。どっちの責任か、なんてことはおれには関係ない。自分たちには責任はない、というようなことを平気で言うただの電話番には呆れるばかりだが、アメリカではこれが普通。
ここで消費者としての正しい、そして期待される行動は、全てキャンセルして、違うところから同じものを購入することだ。こういう消費者の行動が、ダメな会社を淘汰していく。これが、アメリカが期待し、そして実行している市場原理というもんだ。
が、実は、そうできないところがおれも弱い。だって、それ、キャンペーン中で激安だったんだもん。他から買うと間違いなく1.5倍の値段になってしまうのだもん。
安かろう悪かろうなんだけど、安い方がいいんだもん。
こうして、安くて悪いものが想像以上に蔓延っているのがアメリカなのだが、つまり、それは、これがアメリカ人の市場のレベルということだ。この結果が日本の市場にもそのまま当てはまるとは思わない。だから、日本も何でもかんでも市場主義にしても大丈夫だと思う。すればいいのに。